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補償業務管理士資格制度発足の背景

 いかなる時代でも社会基盤整備等の重要性は、国民生活の発展等のため、いささかも変わるものではありません。一方、用地業務の質的変化を見逃せないのも事実です。つまり、代替地要求の増加、環境問題等に対する地域住民の反応、事業の大型化に伴う補償内容の多様性等がその代表例といえます。このような状況下にあって、起業者による補償コンサルタントの活用される機会も今後ますます多くなるものと考えられます。このため、業界におきましても起業者の良きパートナーとして、その期待に応えるべく、会員の資質の向上を図る方策等を講じております。その一環として、この資格制度を位置づけています。

(1) 優秀な人材の育成

 発足時(平成3年)においては、用地業務に携わっている人々についての資格制度は、特にありませんでしたが、用地補償業務は単なる民民売買とは異なり、地味で、かつ、緻密な能力が要求されますので、困難な業務に携わる現場の第一線で活躍する若い優秀な人材を育成し、確保するためにも、このような資格制度は有益で必要であります。

(2) 若い職員の志気の高揚

 登録規定では、登録部門の専任の補償業務管理者となるためには、7年以上(正味10数年)の実務経験を必要としますし、その人のみが管理者となることができるいわば実務経験主義を採用しています。しかし、実際にはこれだけの実務経験を持っている人は少なく、若い職員はなかなか専任の補償業務管理者になれないのが実情です。したがって、一定の資格を取得した若い職員でも専任の補償業務管理者となることができる道を開き、志気の高揚を図る必要があります。

(3) 登録部門の底辺の拡充

 前文でも述べましたが、7年以上(正味10数年)の実務経験を持っていませんと登録部門の補償業務管理者となれないため、実際にある部門の仕事を行っていてもその部門の登録が出来ないのが現状です。したがって、資格を取得した者が部門の管理者になれる道を開き、部門を登録することにより、登録部門の底辺を拡充することができます。