平成20年度調査結果のまとめ

Ⅰ.執行体制の概要
 1社当たりの平均役員数は5人弱で、うち補償業務に従事している役員はおよそ2人。過去10年間の推移をみると、役員数は若干減少し、年齢はやや高齢化している。年収は10年前に比べると200万程度減少している。
 1社当たりの平均職員数は40人程度で、うち補償業務に従事している職員は9人程度、内訳では男性が大半である。過去の10年間の推移をみると、こちらも職員数は減少傾向にあり、年齢は高齢化している。特に補償職員の年齢構成でみると高齢化は顕著で、30歳代~50歳代で全体の8割弱を占めており、10年前ではほぼ平準化していた「5年未満」「5~10年」「10~20年」「20年以上」の経験年数別割合が、今回では「20年以上」で半数に近く、「10~20年」も含めると8割弱を占めるまでになっている。このことは10年間に比べ職員の採用人数が減っていることからもうかがうことができる。

Ⅱ.業務執行状況
 受注時期は第2四半期・第3四半期の割合が多く、納期は第4四半期が多い。納期の第4四半期は、年間のおよそ半数の割合である。
 受注している起業者の内訳では「地方公共団体」で7割を占め、次いで国が1割半程度。5年前に比べて、受注金額としては減少している起業者がほとんどで、また今後5年も引き続き減少すると予測する会員が大半である。その中でも今後力を入れていきたい起業者としては、現在受注金額の多い「地方公共団体」と「国」があげられている。
 ピーク時の業務対応として、協力会社への下請発注をする会員は増えてきており、その業務としては「物件調査・算定」が多くなっている。下請発注する理由は「必要最小限の人員・設備で運営」できること、「人員・設備を効率よく使用できる」ことをあげられている。
 一方、下請受注は専業でウェイトが高く、下請受注する理由としては「安定業務量の確保」「専門的得意分野がある」が高い。下請受注していない会員は「受注量がある」「経済的に不利」という理由で実施していない割合が高い。
 納期は完全に遵守している、という傾向がみられるが、納入後の成果品補正作業が生じる割合は9割弱と多い。成果品の追加等があった場合の増額契約の実施状況としては、大体行っているケースが約6割と多いが、予算不足のためサービスで実施しているケースも2割程度ある。成果品納入後の再算定を行った場合、有償/無償ともにその件数/金額は5年前に比べ減少している。
 補償業務遂行上の問題点として多くあげられたのは、「発注者側の都合で成果品の手直しをした」「発注書にない仕事」「発注者側との意思疎通が不十分」といった項目である。業務内容と受注額については現状に満足していない割合が5割強を占めており、その理由としては「受注額のわりに質(内容)が濃く引き合わない」が最も多い。
 低価額落札については、「ある」という回答が半数近くで、前回に比べてもその割合は高くなっている。予定価額に対する落札額の割合では「国」や「都道府県」は高いが、「市町村」や「独立行政法人等」は落札額の割合が低い。
 低価額入札は、「ますます激化」もしくは「しばらく続く」という回答が多く、それに対して発注者に望む要望としては、専業では「業者選定の基準化と厳正な運用」、兼業では「最低価格制度の導入」となっている。

Ⅲ.人材確保・労務管理状況
 補償職員の採用としては不定期採用が大半を占めており、過去10年間の推移をみてもその傾向は増加している。このことは、補償職員の採用人数が近年低い水準にあること、経験年数別割合で高経験年数の職員の割合が高いこととも関連している。
 不足している人員の募集は困難とする会員が多く、その理由としては「業種になじみがない」「給与水準が低い」があげられている。
 社内規程・制度については、専業よりも兼業で整備率が高い傾向がみられる。一方、基準内初任給・モデル賃金では、専業よりも兼業の方で給与水準は高くなっている。

Ⅳ.経営方針等
 現在の補償コンサルタント企業数としては、前回と同様「現状は多すぎる」の回答が最も多い。登録制度のあり方については「現状のまま」が高くなっているが、兼業では「資格要件の緩和」、専業では「資格要件の厳格化」も高くなっており、評価が2分している。
 当面の課題としては、「受注機会減少による売上高の確保が困難」「ダンピングによる市場の混乱」をあげる会員が多い。
 将来の補償コンサルタントの規模(計画)では、総売上高、補償職員数ともに減少の傾向にある。

Ⅴ.業務のOA化
 パソコンを利用している分野では、「木造建物・調査積算システム」が最も多い。インターネットの利用状況はほぼ100%に近く、業務のOA化は着実に進んでいる。

Ⅵ.その他
 今後の各業務における取組方針では、「現在は受注していないが、今後は受注したい」が5~7割と高い。また前回に比べてもその割合は高くなっており、各業務における受注意向は高まっている。
 前払い制度は「国」「都道府県」で「あり」という回答が多い。前払い制度の今後の希望としては、「資金繰り等からもぜひ導入を希望する」が高い。
 ISO及びJISを取得している会員は全体のほぼ半分で、専業よりも兼業で多い。一方、今後取得を予定している会員は1割に満たない。